渋谷の「ざぶとん」で、幻の牛「尾崎牛」を大人食い。

グルメ

北海道暮らしで安くて、そこそこ美味しい肉を知ってしまった僕にしてみると、東京の焼肉は高すぎるとつくづく思うのである。なので、ふらっと焼肉を食べるときはランチタイムを狙っていくし、どうしてもそこそこ美味しい焼肉を腹いっぱい食したい時は、わざわざ大阪・曽根崎の某店(安くてうまい!店名はあかせない。それがこの店の掟なのである)に出向くことになる。

が、しかし、とびきり上等の肉なら話は別だ。しかも、今宵は僕の50歳のバースデーナイト。わがハニーのゆかりっちの企画で、「尾崎牛」ディナーとなった。

「尾崎牛」とは、宮崎県の尾崎宗春さんらの手で育てられた国産和牛。個人名が付されたブランド牛自体めずらしいが、月に30頭しか出荷できないことから、幻の牛と言われているらしい。めちゃイケのガリタ食堂で「尾崎牛」の存在を知って以来、肉好きの僕としては、一度は食したいと願っていたのである。

幻の牛と言われるだけあって、都内でも扱っている店は限られている。そのなかで、ゆかりっちが選んだ店が、ここ。渋谷・道玄坂の「ざぶとん」。食べログでみると「★2.9」。なんともビミョーな数字である。レビューを読んでみると、★1つもあれば、★5つもある。ただ、最近は★4~5つが目立つことから、仕事ぶりが安定してきたとも見て取れる。まぁ、食べログの★の数は参考程度だと考えているので、あまり気にしても仕方ない。それより、何を食べるかだ。

IMG_2078

店は、マークシティの中を抜け、道玄坂の雑居ビルの地下1階にある。階段を下りていく途中に、「本日の厳選部位」なる黒板が置かれていた。黒板をちらっと見て、食すものは決まった。「全部」。そう、今日この店にある尾崎牛の部位すべて。ゆかりっちも異論ないようで、「もちろん!」とニンマリ。店に入ると、半個室に通された。店内は、黒を基調としたモダンな内装。ガラスの向こうには大きな肉の塊が鎮座している。食欲と期待感で気持ちが高揚してきた。

「ご注文お伺いします」
「尾崎牛、全部お願いします」
「かしこまりました。ボードには書かれていませんが、三角バラもございますが…」
「じゃぁ、それも」

われながら、男前なオーダーだ。しかし、注文を受けたスタッフがあまり驚いていないところを見ると、どうやら尾崎牛を目当てにきた客は、全部注文するのがデフォルトかもしれない。焼き台に火が点され、尾崎牛を待つ間、まずはビールで食道と胃を洗う。これも、美味しい肉を食べる前の儀式だ。

さて、前段が長くなりすぎたが、いざ実食。

tsurutenblog.com

三角バラ

tsurutenblog.com

上カルビ

tsurutenblog.com

ランプ

tsurutenblog.com

イチボ

tsurutenblog.com

ササ肉

う、うまい…。なんとこの味を伝えればよいか。ランプ、イチボ、ササ肉の赤身系はどれもやわらかく、肉本来の旨みが口中に穏やかに広がる。一方、三角バラ、上カルビの脂身系は、サシが、すーっと舌に溶けていくような繊細な食味。いずれも角のとれた、雑味のない、日本酒にたとえるなら大吟醸のような味わいの肉だ。食べても食べても、脂で胃がもたれることもない。これはスバラシイ。肉の旨みに強烈なエッジを利かせたウルフギャングス・ステーキハウスの熟成肉とは真逆な存在だが、これほど優しい味わいの肉は初体験である。個人的には、サシと赤身のバランスが絶妙なランプの味わいが気に入った。

サーロインやザブトン(この店の名物)など、他の国産和牛の部位もあったが、この日は食すのをやめた。せっかくの美味しい体験が台無しになってしまうと思ったからだ。ただ、この店「ざぶとん」は肉に関しては、いい仕事をしていると感じた。まだ有名店ではないが、尾崎牛を食べたくなったら、再訪はアリかと思う。しかし、ひとつ苦言を呈するなら、サイドメニューがいただけない。どれもちょっと、いや、かなり塩っぱいのである。そこが改善されたら、もっと良い店になるのになぁ。

【きょうの評価】★★★★

IMG_2079

●Shop Data
渋谷焼肉 ざぶとん
東京都渋谷区道玄坂1丁目18−5 渋谷AXヒルズB1
電話03-5457-3210
www.yakiniku-zabuton.jp

コメント

タイトルとURLをコピーしました