大学ラグビーと、僕がフルマラソンを走る理由【2013ホノルルマラソン回顧】

思うこと

人が走るとき、何か理由が必要なのだろうか。走ることが好き、ダイエットのため、人それぞれかもしれないが、僕の場合はちょっと違う。

2013年の最初の朝は、あたたかく、穏やかな青空だったと記憶している。当時の僕は、長年の会社員生活に別れを告げて、これからの生き方を模索していた。この間の話はあまりに長くなるので割愛するが、つまり、僕は当時、無職だったわけで…。どうやらニンゲンとは、未来を考えなければならない時、過去を反芻してしまう生き物らしく、僕の頭の中は現在と過去を行ったり来たりしていた。

それは、突然ひらめいたものでもなく、誰かに誘われたわけでもない。そのアイデアは、過去を反芻するなかで、熟成されたものだと思う。ふと、「やりきる」という4文字が、脳裏をよぎった。「自分は何かをしっかり準備して、やりきったことがあるだろうか」という自問自答が、しばらく脳を支配した。

そのとき、僕が行き来していた過去は、少し前、仕事で帝京大学ラグビー部に密着していたころのことだ。彼ら学生の日々は、実にシンプルなものだった。目標は、大学日本一(1月の大学選手権優勝)。それに向けて、一年かけてしっかり準備する。去年のチームに追いつき、追い越せ、が合言葉。試合では、準備してきたことをやりきる。実にシンプルで、まぶしいほどに力強い。

そもそも大人の世界、いやビジネスでは、「しっかり準備する」→「準備してきたことをやりきる」というシンプルかつ、至極当たり前の法則を実践するのがムズカシイ。「会社は学校じゃないんだから」としたり顔をすれば、話はそれまでだが、戦う学生はビジネスマン以上に成果(勝利)にハングリーだ。

では、僕はどうなんだろう。わが仕事人生を振り返り、「自分は何かをやりきったことがあるだろうか」と思い、わが身を恥じた。帝京大学ラグビー部の学生たちの愚直な姿を思い出し、心が動いた。

「やりきる」

その言葉を何度か反芻したあとで、決めたんだ。フルマラソンを走ろう、と。なぜ、マラソンだったかは、自分でもよくわからない。まるで、その決意は空から降ってきたかのようだった。目標は高いほうがいい。子供のころから、走るのが苦手で嫌い。しかも、生活習慣病を疑われるほど、ふくよかな体型。そんな僕には、非現実的で、エベレスト級の目標だ。ホノルルマラソンを選んだのは、時間無制限と聞いたからから。それに、走るなら、明るく楽しそうなところがいいじゃない。

そうして翌日、1月2日の午後、箱根駅伝とラグビー大学選手権をテレビで観戦してから、練習を始めた。ゆっくりと一歩ずつ、昨日の自分を越えることを目指して。僕のホノルルマラソンは、こうして始まったんだ。

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