いかに、自己限定を脱し、才能を開花させるか【今日の読書】

読書

人は、誰もが「多重人格」 誰も語らなかった「才能開花の技法」 (光文社新書)

時に、人は、自分を限定したがるものです。

「元気だけが取り柄です」とか、「自分、不器用者ですので」とか、「私はリーダー向きじゃない」とか。なぜでしょう?

僕も例外ではありません。

「自分は企画畑の人間ですから」と、よく言ったものです。しかし、その裏には「ですので、営業は向いてません」という意味が隠されていたりしました。

根っこからポジティブな人間でもありませんので、「才能ないなぁ」とか「僕にはできないなぁ」と思ったり、ふと口に出したりもします。

このブログの文体も、そうです。
基本「だ・である」調で書いています。その方が、僕自身と文章との間に心地よい距離感が保てて、良いと思うからです。ブログには「です・ます」調の方が相性がよいという意見も多数ありますが、僕には「だ・である」調が向いていると、なんとなく感じています。

そして、こうした自己限定の意識から抜け出すことで、隠れた才能が開花するというのが、本書のテーマです。

本書で田坂先生が伝えたいことは、冒頭に書かれています。

人は、誰もが、心の中に「幾つもの人格」を持った「多重人格」です。

しかし、通常は、仕事や生活の状況や場面に合わせて、その「多重人格」の中から、ある人格を選び、働き、生活しています。

しかし、自分の中に隠れている「幾つもの人格」に気がつき、それらに光を当て、意識的に育て、状況や場面に応じて適切な人格で処することを覚えるならば、自然に「幾つもの才能」が開花していきます。

(P.10)

少し補足しましょう。

本書でいう「多重人格」とは、精神病理のことではありません。人は、誰もが、自分の中に「複数の人格」を持っているということです。たとえば、会社では真面目な課長、家に帰れば子煩悩な父親、ギャンブルになると熱くなり、実家に戻れば甘えん坊な次男坊、というような人間です。決して、珍しくありませんね。

さらに、本書では、「才能の本質は、人格」だと定義しています。つまり、「自分の中には幾つもの人格がある」と思い定めることは、「自分の中には、幾つもの才能がある」と思い定めることと同じこと。逆に言えば、「自分の人格はこれだけ」と思ってしまうことは、「自分の才能はこれだけ」と思ってしまうことと同じであり、才能の開花を抑えてしまうと指摘しています。

僕が心に留めたエッセンスを7つ紹介します。

もし、我々が、「自分の才能を開花させたい」と願うならば、まず最初に、自分自身の心の奥深くを見つめ、自らに問うべきでしょう。
自分の中に「多様な才能」が眠っていることを、
自分は、心の奥深くで、本当に信じているのか?

(P.78)

(心の世界は天邪鬼です…)表層意識で「できる」と思えば思うほど、逆に、深層意識では「できない」と思っていく。そして、その深層意識が、我々の能力の発揮や、才能の開花を抑えてしまうのです。

(P.83)

(むしろ、大きな問題は、我々の多くが、自分の「人格」や「性格」について、「親から受け継いだものだから、仕方がない」「生まれつきだから変えようがない」という「固定観念」や「自己限定の意識」を抱いてしまっていることです。大切なのは…)現在の人格を「変えよう」とせず、新たな人格を自分の中に「育てる」ことです。

(P.125〜126)

「苦手」と思う仕事も、「不遇」と思う時代も、それまで自分の中に眠っていた「人格と才能」を開花させる、絶好機なのです。

(P.170)

「匿名のネット・コミュニティ」では、普段は隠れている「別人格」が現れてくる傾向が強くなります。「匿名」であるがゆえに、しがらみから解放され、自由に発言し、自分を表現できるからです。たとえば、「匿名やペンネームのブログで」で、自作の「詩」を発表することなども、一つの方法です。

(P.189〜190)

(ネットの世界での「匿名」での自己表現において)大切なのは、それを醒めて見ている「静かな観察者」が現れ、育ってくることなのです。(醒めて見ているとは、)自分の中に現れてくる「様々な人格」を、抑えもせず、煽りもせず、否定もせず、肯定もせず、ただ、静かに見ているという意味です。

(P.198)

この「静かな観察者」が心の中に現れることは、「才能の開花」だけでなく、「人間性の開花」という点でも、とても大切な意味を持っているのです。

(P.198)

今日の気づき

50歳を過ぎて、「僕ももう歳だから」と笑っている僕はダメダメですね。自己限定の落とし穴にはまっていることに気づきました。自分を枠にはめず、大いに「多重人格」になってみようと思います。

自分はこんなもんじゃない!と思っている人、成功哲学を読んでも上手くいかない人、自分の道に迷いがある人に、本書はおすすめです。田坂先生の著書は、僕らの生きる道に、力強く希望の光を照らしてくれますので。

あ、そうそう、自己限定の罠に陥らないように、今日のブログはいつもと違う人格(文体)で書いてみました。案外これも悪くないかな。これもまた、僕なのです。

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