予算がない。表紙撮影メイキング映像で、出版プロモーション|僕の仕事録

仕事

今日は、僕が手がけたある仕事について、話そうと思う。

僕の仕事は、早い話、「考えて、伝えて、世の中を熱くする」ことだ。抽象的な言い方で申し訳ないが、一言で言うと、そういうことになる。時には、言葉で伝えることもあるし、映像の場合もある。広告で伝えることもあるし、イベントを仕掛ける場合もある。要するに、世の中を熱くするというゴールに到達できれば、手段はなんでもいい。課題に応じて、どう伝えればよいか、脳みそにびっしょり汗をかく。それが、僕の仕事の独自性。汗をかく量は、誰にも負けたくない。

この仕事は、5年前になる。神保町の寿司屋にて。親交のあった編集者Kさんの相談から、始まった。

「高知のニラ農家のおばちゃんが、おもしろいブログをやっていて、それを本にするんだけどさ、予算がなくてね。何か良いプロモーションのアイデアないかな?」

予算はない、いいアイデアないかな? 定番のご相談である。まあ、お金があったら、電通とか、博報堂に頼むに違いない。そもそも出版の世界では、よほどの大型案件や、売れるとわかっている出版物を除き、一冊の単行本のプロモーションには、ほとんど予算がかけられないものらしい。

寿司をつまみながら、話の要点をつかむ。

  • 高知のニラ農家の主婦が、日本国憲法前文を全国の方言で訳す草の根活動をブログを展開している。
  • 各地のお国ことばで読まれた憲法前文が、ローカル色豊かで、実におもしろい。
  • 本には、世界的な動物写真家、岩合光昭さんの撮影した全国の猫が案内役で登場する。
  • 表紙は、高知のニラ農家の主婦が飼っている猫を、岩合さんが撮影する。

日本国憲法前文お国ことば訳 わいわいニャンニャン版

なるほど、なるほど…。僕の脳みそは忙しく回転し、やがてピンと閃いた。

表紙撮影のメイキング映像をつくり、YouTubeにアップする。それをTwitterとブログで拡散させる。もともと、ブログで広がった草の根活動だから、ネットとの相性はいいはず。ブログの読者が最初の購入者になるだろう。それと、岩合さんファンも購入する可能性がある。それらをハブに購入者が広がるのではないか……。そんなイメージを描いた。

問題は予算、映像の制作費。しかし、メイキングなのだから、別にプロっぽい映像である必要はないと思った。撮影は、Kさん旧知の高知県の制作会社ファクトリーが行った。表紙撮影当日の様子を、家庭用ビデオカメラで撮影してもらった。それから、そのデータを東京に送ってもらい、編集は、週末を使って、僕が自宅のMac(iMovie)で行った。まさに、手弁当仕事。映像編集作業を行ったのは、高校時代以来のことだ。まあ、その時は8mmカメラのテープ編集だったけどね。なんとか、なる。

▼その映像がこちら。

いろいろなSNSが普及し、ユーチューバーなども存在する今日では、何も特別じゃない手法だが、当時としては実験的で、出版社が行うプロモーションとしてはゲリラ的な手法だったと思う。再生回数も36,000回を超えた。爆発的に世の中を熱くできたわけではないが、ちょっぴりは刺激できたかなと思う。

「猫は平和の象徴」とは、岩合さんの言葉だ。

最近、安保法案をめぐり、世論が揺れている。日本国憲法が制定された時と、もはや時代が違うのは理解できるが、その新しい法律は、明らかにこの国のかたちが変えようとしていると感じる。そんな思いもあって、今日のブログを書いた。

全国の方言で語られた日本国憲法前文をあらためて読み直してみたいと思う。

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